「なぜ数学では『文字式』を使うんでしょうね?」
考える学習をすすめる会 学習コーチ 柳沢 達城
問題:連続する3つの自然数の和は3で割り切れることを説明せよ
これは、文字式でよく出てくる問題ですが、こういう問題になると、「とことん苦手、やる気がまったく起きない」という人は多いんじゃないでしょうか?
これは、「文字式の応用」で出てくるわけですが、「なぜ文字を使って説明する必要があるか」考えたことはありますか?
このことを知らないで、ただ文字式をいじくっていても、「結局よくわからない」ということがずっと続いてしまいます。
まず、実際に連続する3つの自然数とはなんでしょう?
これは誰にでもわかりますよね。自然数は「正の整数」ですから、その連続する3つの数の和は、たとえば、
1+2+3=6
4+5+6=15
11+12+13=36
23+24+25=72
・・・・
その結果である、6,15,36,72・・・・たしかに3で割り切ることができます。
ところで、このように4つぐらいで、すめばいいのですが、連続する3つの自然数というのは、無限といって言いぐらいたくさんあります。
100000001、100000002、100000003
上のように、1億までいってもまだ終わりませんよ・・・
実際の数字を使って説明している限り、10年たっても、50年たっても説明は終わらないのです。こんなことやってられませんよね。
ところが文字を使うと、3分で説明は終了です。
連続する3つの自然数の1番最初を、nとおくと、1ずつ増えますからその後の2つは、n+1、n+2 と表すことができます。
するとその和は、
n + n+1 + n+2 =3n+3 =3(n+1)
nは自然数ですから、(n+1)も自然数で、上の結果は、
3×自然数
という結果になり、これは3の倍数をあらわしているから、3で割り切れるといえます。
数字だけで説明しようとすると、ひょっとして自分のお葬式の前日まで説明し続けなければいけませんが、数学の問題を説明するのにそんなことを望む人は誰もいませんよね!
このように、文字を使って説明するというのは、時間を節約するというだけでなく、説明に普遍性(ふへんせい)をもたせるめなんです。
普遍性というのは、「だれがやっても、何回やっても、世界中、宇宙中どこでやっても同じ結果になる」という意味です。
「信号が赤なら止まれ」は日本では普遍的なルールであるといえます。 もし、ルールに普遍性が無くて、都道府県によってルールが異なり、「赤はすすめ」だとか、「青はとまれ」だったら、恐ろしいことになります。
普遍性があるおかげで、たった1つのルールを覚えることで、日本中安心して車が運転できるわけです。
数学を学ぶよさのひとつに、すごく面倒なことを簡単に考える方法を身につけるということがあります。
これに気づけば、文字式がとても便利なものであって、うまく使いこなさないと損だということが少しはお分かりいただけたでしょうか?
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