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トップクラスに入る勉強法コラム >> 城内 貴夫 




「理科・光合成と呼吸の関係−酸素の役割」

ブックス平安堂主催の講演会(4/10)で出たご質問にお答えして




【光合成】

生物は生きるためにエネルギーを必要とします。このエネルギーのみなもとは太陽の光です。ところがやっかいなことに光のエネルギーは、そのままでは保存がききません。

ところが葉緑体を持つ植物だけは、この光のエネルギーを特別な方法で保存できる形にする能力があります。それがこの光合成です。


〔光合成とは?〕

葉の葉緑体が、二酸化炭素と水を原料にし、もっと複雑な物質であるブドウ糖をつくることによって、光のエネルギーをそのブドウ糖に閉じこめてしまう(つまり保存する)こと、といっていいでしょう。

そして糖の一番単純な形のブドウ糖をその場ですぐに保存しやすいデンプンに作りかえてしまいます。光合成をした葉を調べると、ブドウ糖が検出されずにデンプンが検出されるのはこのためです。


たとえて言うならデンプンは光のエネルギーが別のエネルギー(化学結合エネルギー)に変換されて貯えられた、「エネルギーの缶詰」です。

それぞれの物質の構成原子の数を見ればわかるのですが、今の教科書では光合成が中1で扱われるためにこのことをまだ説明できません。そこで結果だけを言うと、6個の二酸化炭素と6個の水を使って1個のブドウ糖(→デンプン)をつくるときに酸素が6個余ります。余るからそれを放出するだけであって、酸素を作るのが目的ではありません。


中3生の読者の方たちのために光合成の化学反応式を書いておきます。こうした視点から見ると、光合成を一味ちがった理解ができるはずです。

  (図1)
  


〔つくられたデンプンは何に使われる?【呼吸】〕

植物はエネルギーを貯めこむだけのためにデンプンをつくるのではありません。生きるため、成長するためには昼でも夜でも常にエネルギーが必要です。光合成をするのにもエネルギーは必要なのです。

このエネルギーをどこから得るか? それがこのエネルギーの缶詰であるデンプンを分解することで得るのです。このことを【呼吸】といいます。

私たちは【呼吸】というと、「酸素を吸って二酸化炭素を排出する」と思いこんでいますが、理科ではこれを【外呼吸】と言い、単に【呼吸】と言ったら、「1つ1つの細胞でブドウ糖を分解して、そこに保存された化学結合エネルギーを成長するためのエネルギーとして取り出すこと」を言います。

保存の便宜のためにデンプンに作りかえられたブドウ糖は、この段階でまたもとの単純な形のブドウ糖に戻されています。

これを元の6個の二酸化炭素と6個の水に戻すには、光合成のときには余って捨てた6個の酸素が必要になりますね。そうでないと原子の数のつじつまが合いません。

そこで、呼吸には酸素が必要になるのです。これをまた化学反応式で表すと

   (図2)
   

となります。植物は、自分が生きるための【呼吸】をするために、
【光合成】をしているんです。

こんな複雑な操作を、植物は生命活動としてやっているんですね。