「優秀な小論文とは? 」文章博士応募小論文を添削して感じたこと
−その3−〔添削と書き直しでどう変わる?〕
考える学習をすすめる会 理事 城内 貴夫
■みなさんに出した宿題
1つ皆様にお詫びが…
注意深い読者なら薄々お感じになったかもしれませんが、MさんとNさんは、じつは同一人でした。(だますつもりで)だましてゴメンナサイ。
ある生徒の1通目がMさんの答案、2通目がNさんの答案です。
課題が〔『携帯電話の良い点・悪い点』字数:800字以内〕となっていれば、ふつうは
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携帯電話の良い点は@…
A…
B…
悪い点は@…
A…
B…
終わり(結論)
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としてしまいがちです。現に応募者の半数以上の1通目がそうでした。
ところで、出題者としてはいまさら良い点・悪い点を受験生から教えてもらおうなんてまったく考えていません。
これが携帯電話を製作している研究所の採用試験での小論文なら、「純粋に技術的なことを中心に書いて欲しい」ということでしょうが、これは普通高校の選抜試験を意識した小論文です。
それなら、採点者に向かって良い点・悪い点を列挙していったところで、あなたの何をアピールしたことになりますか?
小論文でアピールすべきなのは、あなたの「社会的問題意識の広さ」と「その深さ」です。
広くすればその1つ1つが浅くなり、絞れば深くなるけれど狭くなります。この2つを両立させるのはとても難しい。
そこで、とっておきのテクニックがあります。それは〔序論(第一段落)〕で、良い点・悪い点(考えられるいくつかの問題点)を軽く紹介する程度に流してしまうのです。
1つ1つに深入りしないこと。これで「私は論題を十分わかっていますよ、無視していませんよ」を示したことになります。
そして、本論(第二段落)の最初に「この中で、最も問題となるのは○○である。なぜなら……」という書き出しで、1つを取り出してズバリ深く切り込んでいくのです。この大きな問題点がいったい何から生じたのか、そしてどうすれば解決できるのか(解決策)を示せれば、小論文として完璧です。
1つを深く論じたということは、「私は、その気になればほかの問題点も深く論じられるのだが、字数の関係で…」ということを言ったのと同じです。
最後に要領よくまとめて結論とします。
以上が「小論文」としての「大きな流れ」です。このことをわきまえたうえで出題された課題に対応すればよい。
ほとんどの中学生の1通目の小論文は、小論文の体裁をなしていませんでした。
「作文」にすらなっていないものが大半。いかに文章力がないか。「いったい何を言いたいのか」が伝わってこない。
この小論文の筋道をアドバイスし、課題〔『携帯電話の良い点・悪い点』字数:800字以内〕で問題になるのはどんなことが考えられるか、を例示したあとで書き直してもらったのがNさんの答案です。1回の添削指導でこれほど変身することができました。
まだ表現方法や漢字の使い方(ひらがなにしたほうがよいもの)にヘタさは残りますが、りっぱに「小論文の形」になりました。「優秀答案」です。
____【85点】。
1通目(Mさん)は、「携帯電話」という枠から一歩も踏み出せずに、携帯電話の問題点を社会的な視点から見ると…という深さが感じられません。でも、これでもまだかなり良いほうだったんですよ。
____【60点】。
これから自己推薦入試を受けるみなさん、ほとんどの人がまともな小論文を書けません。
ということは、以上書いてきたことを承知して、これから訓練すれば「まわりに差をつけるピッカピカ」の小論文が入試で書けるようになれるということです。ピッカピカなら、一発逆転もあり得ます。
光るものは誰が見ても光りますから…
PS 字数が800字以内となっていたら、不足分はせいぜい2〜3行程度にお さめてください。200字以上余した人がたくさんいました。
本番までの間、「小論文の型」を強く意識して、練習にはげんでください。わからないことは投稿していただければお答えします。
健闘を祈ります!
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