「優秀な小論文とは?」文章博士応募小論文を添削して感じたこと
考える学習をすすめる会 理事 城内 貴夫
その1〔出題者の意図を知れ!!〕
■はじめに
小論文の書き方コーチ、「文章博士入門講座」にご応募いただいたたくさんの中学生のみなさん、ありがとうございました。
「自己推薦合格ガイド」をお読みいただいての申し込みが多かったようです。
さて、その数多くの小論文を添削していて、「中学生にとっては小論文というのは難しいものなんだなあ!」とため息をついたことが何回あったことか。
私が高校生の小論文を指導し始めたとき、「高校生にとって、小論文というものは難しいものなんだなあ!」と、何回もため息をついていたことを思いだして、思わず苦笑してしまいました。
長野県では、来年度から自己推薦入試が実施され、ほとんどの高校では課題の1つとして「小論文」が必要になりました。また、多くの都道府県が小論文を受験生に課しています。
■中学生にとって、小論文って何なんだろう?
「作文と何がちがうの?」「意見文のことでしょ?」こんな声が圧倒的。
でもね皆さん、高校入試に小論文をつかう以上、出題者(高校側)はその答案で受験生1人1人の「何か」をさぐろうとしているんです。学力テストで学力をさぐるように。
このことを意識したことがありますか? たぶんないでしょう。みんな自分の言いたいこと、書きたいことを勝手に書いているだけだから…
だから「意見文」といっても「私は、○○について(テーマ)、…だから(理由)、△△だと思います(意見)。」で意見文だと思っている。
「意見を述べたんだから意見文じゃないか!」
冗談じゃない。こんなものが「意見文」なものか!
勝手に自分の浅はかな「意見」を言いさえすればいいってものじゃない。
ましてや「思う・考えた」をつければいいってものじゃない。
どうせみんな「思う・考えた」ことを書いているんだから、「思う・考えた」なんて言葉は使わない方が良い(たまに使うのはかまわないが)。「〜である」「〜だ」で十分だ。
中学生(だけでなく高校生の多くも)は、「小論文をとおして何を見られているのか」を考えなさすぎる。
「良い小論文(意見文ととってもかまわないが)」とは、ズバリ「出題者がさぐろうとしていることにストレートに答えた文」なのです。
だから、誰が、何のために出題したのかを頭に置いておかなければこれに答えることはできません。
たとえば「水について書きなさい」という問題が、水道局の技術職採用試験で、普通高校の高校入試で、工業高校で、高校の音楽科で出題されたとしましょう。
出題者が応募者に書いて欲しいこと(期待していること)はそれぞれみんなちがうのはわかるでしょう。
■それでは高校入試で、出題者は小論文を通してあなたの何を見たいのか?
【普通高校】での小論文だとすると、
@ まず基本的にはその文章全体から流れ出るあなたの人柄・人格です。
→「文は人なり!」
良く見せようとしてもだめですよ。かっこつけてもすぐバレる。
高校側は、集団生活をする場で、変なかたよった生徒はとりたくない。
素直が一番。
A あなたの「社会的関心の広さ」と「その深さ」です。それを無視しての「個人的な関 心」じゃないですよ。
もちろん「社会的に問題となっている視点」をふまえての「個人的な視点」ならかまい ませんが。
→「ひとりよがりではない」
■【工業高校】や【「理数科」などの専門科】での出題なら
@は共通
A 上のAよりも専門的な視点からの知識の豊富さや思考の柔軟性を重視している場合も あります。
■【音楽科】での出題なら
@は共通
A 上のAの「水への社会的な問題点」よりも「感性」を、ということは容易に想像でき るでしょう。
−その1−はここまで。
次回は、【文章博士入門講座】で私が出題した最初の課題
「携帯電話の良い点・悪い点」で、
多くの中学生がどのような小論文を書いたのか、をご紹介
しながら、
「お寒い現状」と「ではどうすれば良いか!!」にふれるつもりです。
みなさんも「自分なら…」と考えておいてください。
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